採用代行に向いている人とは?特徴やメリット・デメリットについて

採用代行(RPO)は、企業の採用業務を一括して代行するサービスとして注目を集めています。

Indeed Japanの調査では、72.4%の採用担当者が他部門との兼務をしており、多くの企業で採用業務の効率化が求められています。

本記事では、採用代行に向いている人の特徴やメリット・デメリット、採用代行会社の選び方について解説します。

目次

採用代行(RPO)に向いている人の6つの特徴

採用代行(RPO)は、人材業界での経験がなくても、特定のスキルがあれば活躍できる可能性が十分にある職種です。

企業が抱える採用課題を解決し、最適な人材をマッチングするには、いくつかの重要な特徴が必要となります。

Indeed Japanの調査によると、72.4%の採用担当者が他部門との兼務をしており、多くの企業で採用ノウハウが不足している現状があります。

そんな企業の採用活動を成功に導くために必要な特徴を見ていきましょう。

ニーズを引き出すヒアリング力がある人

企業の本質的な採用ニーズを引き出せる「聴く力」は、採用代行で成功するための重要なスキルです。

単に「何名採用したいか」という表面的な要望だけでなく、「採用ブランディングが必要かもしれない」といった潜在的な課題まで見抜く力が求められます。

企業の成長戦略や組織文化、現場の生の声をじっくりと聞き取ることで、最適な採用戦略を提案できます。人

事部門だけでなく、実際に採用された人材が配属される現場の声も大切にし、多角的な視点でニーズを把握することが大切です。

客観的な分析できる人

現在の採用市場は売り手市場が続いており、人材獲得競争が激化しています。

そんな中で、競合他社の動向や市場分析ができる力は非常に重要です。

自社の強みや弱みを客観的に分析し、採用成功企業の特徴を見出すことで、効果的な採用戦略を立案できます。

また、採用活動の数値化や可視化を行い、PDCAサイクルを回しながら継続的な改善ができる分析力も必要です。

市場データに基づいた説得力のある提案ができることが、採用代行では重要な武器となります。

臆せず自分の意見を伝える折衝能力がある人

採用代行の価値は、外部視点から客観的な意見を提供できることにあります。

時には企業にとって耳の痛い内容であっても、採用成功という同じ目標に向かって率直な助言ができる勇気が必要です。

市場実態やデータに基づいた説得力のある提案を行い、建設的な議論を展開できる力が求められます。

また、候補者との条件交渉においても、双方にとって納得できる結果を導き出せるコミュニケーション力が重要です。

採用市場の最新動向をキャッチアップして施策へ移せる人

採用市場は日々変化しており、求職者の価値観やトレンドを把握する力が欠かせません。

例えば、株式会社ニトリが学生目線でのインターンシップを導入し就職人気ランキング1位になった事例や、ロート製薬株式会社が副業解禁により成果を上げている事例など、市場の変化を捉えた施策が成功を生んでいます。

最新のトレンドを理解し、具体的な採用施策として展開できる実行力が、企業の成長に大きく貢献します。

柔軟に対応できる臨機応変力がある人

採用活動では、面接官、役員、人材エージェント、求職者など、多くの関係者との調整が必要です。

「急な面接キャンセル」「事業計画の変更」といった予期せぬ事態も日常的に発生します。

そんな場面でも冷静に判断し、迅速に代替案を提示できる対応力が求められます。

複数の案件を同時に進行する中で、優先順位を適切に判断し、リソースを効果的に配分できる能力も必要です。

候補者の気持ちをつかむフォロー力がある人

採用活動において、内定者フォローは選考と同じくらい重要です。

「この担当者がいたから入社を決めた」というケースも多く、入社後のパフォーマンスにも影響を与えます。

候補者一人ひとりの人生における重要な決断に寄り添い、不安や懸念を丁寧に解消していく姿勢が大切です。

また、企業について徹底的に理解を深め、その魅力を候補者に的確に伝えられることも重要です。

きめ細やかなフォローができ、候補者と企業の架け橋となれる人が、採用代行では高い評価を得られます。

採用代行(RPO)に向いていない人の3つの特徴

採用代行では、クライアント企業の成長と候補者のキャリア実現の双方に責任を持つ必要があります。

しかし、いくつかの特性は、この重要な役割を果たす上で障壁となる可能性があります。

採用代行の業務で注意すべき特徴を見ていきましょう。

個々の感覚に頼ったジャッジをする人

採用代行では、データや市場分析に基づいた客観的な判断が不可欠です。

個人の経験や勘だけに頼った判断は、以下のような問題を引き起こす可能性があります。

・採用市場の実態を見誤り、非現実的な採用計画を立ててしまう
・候補者の評価基準が一貫せず、質の高い人材の見極めができない
・クライアント企業に対して説得力のある提案ができない
・過去の成功体験に固執し、現在の市場環境に合わない判断をしてしまう

採用の成功には、市場データの分析競合情報の収集過去の採用実績の検証など、客観的な事実に基づいた戦略立案が求められます。

固定概念を持つ傾向がある人

採用市場は常に変化しており、従来の常識が通用しない場面も増えています。

固定概念に縛られていると、以下のような課題に直面します。

・新しい採用手法やツールの導入に消極的になる
・「この業界ではこうするべき」という思い込みで機会を逃す
・多様な人材の可能性を見逃してしまう
・クライアント企業の独自の文化や価値観を理解できない
・変化する求職者のニーズに対応できない

採用成功のためには、既存の枠組みにとらわれず、各企業の特性や市場の変化に応じた柔軟な発想が必要です。

波風が立つことを避ける人

採用代行の役割は、時として耳の痛い意見もクライアント企業に伝え、最適な採用を実現することです。

以下のような傾向がある場合、その役割を果たすことが困難になります。

・クライアント企業の非現実的な要望にNoと言えない
・採用条件の見直しが必要な場合でも提案を躊躇する
・候補者との給与交渉で適切な調整ができない
・問題が発生した際に先送りにしてしまう
・関係者間の意見の相違を調整できない

採用のプロフェッショナルとして、時には波風を立ててでも、採用成功に向けた提案や行動を取る勇気が必要です。

市場の実態や客観的なデータに基づき、建設的な議論を展開できることが重要です。

採用代行(RPO)のメリット・デメリット

採用代行の活用には様々なメリットとデメリットがあり、自社の状況に合わせて慎重に検討する必要があります。

効果的に活用できれば採用業務の効率化や質の向上につながりますが、一方で新たな課題が生まれる可能性もあります。

ここでは、採用代行を活用する際の主なメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

人事担当者の負担を軽減できる

採用業務は、特に新卒採用のピークとなる3~5月に大変忙しくなります。

企業説明会の開催や合同イベントへの出展、面接や筆記試験の実施など、やるべきことが山積みになってしまいます。

採用代行を味方につけることで、忙しい時期の仕事を上手に分担でき、必要な期間だけ支援を受けられるんです。

これにより、じっくりと選考や応募者対応に時間を使えるようになり、内定までのスピードも保てます。

人事担当者も本来の人事の仕事に力を注げるようになるため、会社全体の効率アップにつながります。

採用に関するノウハウを習得できる

採用のプロから実践的な知識やコツを学べるのは、とても心強いメリットです。

  • 「どの求人媒体を使うのがいいのか」
  • 「業界ならではの採用方法は?」
  • 「最近の採用市場のトレンドは?」

など、現場で活きる知恵をたくさん得られます。

特に専門職の採用では、業界特有の知識が必要になりますし、適切な採用基準づくりも大切です。

こうした経験は、自社だけでは中々積みづらいものばかりです。

求める人材をスピーディーに確保できる

採用代行のサポートを受けることで、採用活動がグッとスムーズになります。

「人手が必要な時に」「必要な分だけ」採用のプロの力を借りられるため、時間とコストを上手に使えます。

正社員を新たに雇うよりも柔軟に対応でき、プロのノウハウを活かして採用期間も短縮

結果として、良い人材との出会いを逃さずにすみます。

コミュニケーション不足による採用失敗が起こる可能性がある

採用代行との情報共有が不十分だと、会社の文化や大切にしている価値観が上手く伝わらないことがあります。

「求めている人材像」の認識にズレが生じたり、選考基準の理解が違ったりするかもしれません。

現場が本当に必要としている人材像とマッチしなかったり、内定者のフォローが行き届かなかったりする可能性もあります。

人材採用のノウハウを自社で蓄積しにくい

採用の仕事を外に任せることで、社内の採用担当者が経験を積む機会が減ってしまいます。

採用計画の立て方や、会社独自の採用方法を確立する力が育ちにくくなる可能性があります。

また、どんな基準で人材を見極めるかというスキルも、自社内で育てるのが難しくなります。

将来的に「自社で採用できる力」が弱くなってしまう心配もあります。

コスト・工数が増えるケースもある

採用代行の使い方によっては、思わぬ負担が増えることも。

たとえば、情報共有のための打ち合わせが増えたり、委託する仕事の範囲を調整するのに時間がかかったりします。

予想以上に採用期間が長引いて費用が膨らんだり、いろいろな採用チャネルを使うことで予算オーバーになったり。

将来的に自社で採用を行うための教育コストも考える必要があります。

これらの課題を乗り越えるには、採用代行としっかり情報共有を行い、得られた知見を社内に残していく工夫が大切です。

どの仕事を任せるのかをはっきりさせ、少しずつ自社でできることを増やしていく計画を立てることで、採用代行をより効果的に活用できるようになります。

採用代行会社を選ぶポイント

採用代行会社を選ぶ際は、自社の採用ニーズに合った最適なパートナーを見つけることが重要です。

採用代行会社は数多く存在し、それぞれに特徴や強みがありますが、成功の鍵となるのは以下の3つのポイントです。

これらを慎重に見極めることで、長期的なパートナーとなる採用代行会社を選ぶことができるでしょう。

依頼したい業務に対応しているか

採用代行会社を選ぶ際、まず確認すべきは自社の採用ニーズと代行会社のサービス内容が合致しているかどうかです。

採用代行会社によって得意分野や提供サービスは様々です。

応募者対応や面接調整といった実務的な業務に特化した会社もあれば、採用戦略の立案から採用基準の設定まで包括的にサポートする会社もあります。

自社の課題は

  • 「採用実務の負担軽減」なのか
  • 「採用戦略の見直し」なのか
  • 「採用のノウハウ獲得」なのか

など、まずは明確にしましょう。

その上で、代行会社のサービス内容を細かく確認し、自社のニーズに最も適した会社を選ぶことが大切です。

専門性があるか

業界や職種によって、求める人材像や採用手法は大きく異なります。

特にIT人材やエンジニア、医療従事者など、専門性の高い人材の採用では、その業界に精通した採用代行会社を選ぶことが成功への近道となります。

業界特有の採用市場を深く理解し、求職者の志向や動向を把握している代行会社は、効果的な採用チャネルを熟知しています。

また、候補者のスキル評価も的確に行え、業界ならではの採用課題にも適切に対応できます。

こうした専門性を見極めるには、過去の採用実績や支援企業の業種、担当者の業界経験などを確認することが重要です。

実績・ノウハウがあるか

採用代行会社の実績やノウハウは、採用成功の重要な要素となります。

支援企業数や採用成功実績はもちろんのこと、採用市場に関する深い知見や効果的な採用手法の提案力も重要なポイントです。

具体的な支援事例やクライアント企業からの評価を確認することで、その会社の実践力を判断することができます。

特に、自社と似た規模や課題を持つ企業の支援実績があるかどうかは、重要なチェックポイントです。

また、担当者との面談時に、具体的な採用課題への対応方針を確認することで、実践的なノウハウを持っているかどうかを判断できます。

単なる数字上の実績だけでなく、その会社ならではの強みや特徴的な支援方法にも注目し、実質的な支援力を見極めることが、最適な採用代行会社を選ぶポイントとなります。

採用代行(RPO)に関するよくある質問

採用代行(RPO)に関して多く寄せられる質問について、分かりやすく解説していきます。

採用代行(RPO)は業務委託できる?違法になるの?

採用代行は、適切な契約のもとで実施すれば合法的な業務委託です。

採用代行会社は職業紹介事業の許可を得ており、労働者派遣法や職業安定法に沿ってサービスを提供しています。

ただし、採用の最終決定は必ず企業側が行うなど、一定のルールを守る必要があります。

採用代行で1人を採用するのにいくらかかりますか?

費用は委託する業務の範囲や採用人数によって異なります。

成功報酬型の場合は採用された人材の年収の25~35%程度、固定報酬型では月額15万円~50万円程度が一般的です。

具体的な費用は各社のサービス内容によって変わるため、複数社への相見積もりをおすすめします。

そもそも採用代行は何をするのですか?

採用に関する業務を一部または全般的にサポートするサービスです。

採用戦略の立案、求人原稿の作成、応募者対応、面接調整、内定者フォローなど、企業のニーズに応じて必要な業務を代行します。

全面的に任せることも、特定の業務だけを委託することも可能です。

採用代行で採用される人はどんな特徴がありますか?

採用基準は企業側が設定するため、通常の採用活動で採用される人材と基本的な違いはありません。

ただし、採用代行会社のプロの目線による客観的な評価や、広いネットワークを活用した人材との出会いが期待できます。

RPOとは人事で何ですか?

RPO(Recruitment Process Outsourcing)は、企業の採用プロセスを外部の専門会社に委託するサービスです。

採用計画の立案から内定者フォローまで、採用に関わる様々な業務を代行できます。

企業は自社の状況に応じて、必要な支援範囲を選択できます。

まとめ

採用代行は、ヒアリング力や分析力、柔軟な対応力を持つ人材が活躍できる職種です。

一方で、コミュニケーション不足による採用ミスマッチや、自社でのノウハウ蓄積が難しいといった課題もあります。

採用代行会社選びでは、自社のニーズに合ったサービス内容か業界での専門性や実績があるかをしっかりと確認しましょう。

適切なパートナーを選ぶことで、採用業務の効率化と質の向上を実現できます。

まずは複数の採用代行会社に相談し、比較検討することをおすすめします。

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