ベンチャー企業にとって、人材採用は事業成長の鍵を握る重要課題です。
しかし「ベンチャー企業の採用は難しい」と言われるように、限られたリソースや知名度の低さ、大企業との人材競争など様々な要因が採用活動を困難にしています。
実際、採用担当者の中には「優秀な人材が大手に流れてしまう」「募集を出しても応募が集まらない」と頭を悩ませる方も多いでしょう。
本記事では、ベンチャー企業の採用が特に難しいと言われる理由を整理し、「ベンチャー」と「中小企業」採用の根本的な違いを明らかにします。
ベンチャー企業の採用が特に難しいと言われる6つの理由
まずは、なぜベンチャー企業の採用がここまで難しいとされるのか、その主な要因を6つに分けて解説します。
大手企業や他社に比べて不利になりがちな点を把握し、自社の課題を見極めることが、効果的な採用戦略の第一歩です。
1:企業の知名度が低く応募者が集まりにくい
ベンチャー企業は一般的に世間での知名度が高くありません。
新興企業ゆえに名前や事業内容が広く知られておらず、求職者から見ると「どんな会社かよく分からない」という状態になりがちです。
実際ある調査では、求職者の65%が「よく知らない企業には応募したくない」と回答しています。
知名度が低いとそれだけで母集団形成(応募者の集まり)が難しく、いくら魅力的なポジションを用意しても候補者が集まらないという事態に陥りやすいのです。
また、大手のようにテレビCMやニュースで取り上げられる機会も少ないため、商品・サービスが世間に浸透しておらず、会社の良さを効果的に訴求しづらいという面もあります。
2:悪いイメージ・リスクへの懸念が候補者にある
ベンチャー企業はしばしば「大変そう」「将来が不安」といったネガティブなイメージを持たれがちです。
例えば「ベンチャーは給料が低そう」「残業が多そうだ」といった心配の声を、採用現場で候補者から耳にすることがあります。
実際に統計でも、大手と比べ平均で給与水準が2割ほど低いケースや、月80時間を超える残業が発生する例が報告されており、「会社の将来が安定して続くのか不安」という声も少なくありません。
こうした待遇面・労働環境面の不安は優秀な人材ほど敏感に感じ取るため、結果として安定性や高待遇を求めて大企業を志向する傾向が強まります。
3:採用にかけられる予算が限られている
多くのベンチャー企業では、採用活動に充てられるコストや予算の制約が大きいです。
限られた資金はプロダクト開発や営業など本業に優先的に投下されるため、人材採用に潤沢な予算を割けません。
その結果、求人広告を大々的に出したり、人気の求人媒体に継続掲載したりといった施策が難しくなります。
例えば求人サイトへの掲載や合同説明会への参加には費用がかかりますが、資金力で勝る大企業に比べて頻度も露出も少なくなりがちです。
また、厚生労働省所管の中小企業庁の調べによれば、社員100人未満の企業の採用予算は大手企業の10分の1程度しかないというデータもあります。
このように採用予算が乏しいことは、結果的に募集告知の露出不足や選考プロセスの非効率にもつながり、優秀な人材を逃す一因となっています。
4:採用専任の人材やノウハウが不足している
人的リソースが限られるベンチャー企業では、採用を専門に担当する社員がいない場合も珍しくありません。
人事担当者がいても他の業務と兼務であったり、1人で全採用プロセスを回さなければならないケースも多いでしょう。
そのため、採用活動の経験値やノウハウが社内に蓄積しづらく、効果的な採用手法を模索しながら手探りで進めざるを得ない状況に陥りがちです。
例えば求人票の書き方ひとつ取っても、魅力が伝わる表現や訴求ポイントの押さえ方に工夫が必要ですが、人事の専門知識やスキルが不足しているために十分にアピールできないことがあります。
加えて、書類選考や面接に忙殺され、採用広報や候補者フォローに手が回らないといった現場の悲鳴も聞こえてきます。
5:求人情報が求職者に発見されにくい
知名度や予算の低さとも関連しますが、せっかく求人を出しても求職者の目に留まりにくいという課題も深刻です。
大手企業であれば自社サイトの採用ページに日々多くのアクセスがあり、主要な求人サイトにも常時掲載されるため求職者との接点が豊富です。
それに対しベンチャー企業の求人情報は、露出できる媒体が限られたり掲載期間も短期にとどまったりしがちです。
また、求人検索では知名度のある企業が上位に表示されたり、応募者も知っている会社の募集から閲覧する傾向があります。
さらに前述のように社内に採用広報のノウハウが不足していると、タイトルや求人票の内容も平凡になってしまい、たとえ見られても応募意欲を喚起できないというケースもあります。
応募者との接点を増やし興味を引く工夫が不足している点も、採用難の理由の一つです。
6:人材不足と激しい人材獲得競争の煽りを受けている
近年はどの業界でも優秀な人材の確保が難しくなっていますが、ベンチャー企業はその影響をより強く受けています。
特にITエンジニアやデータサイエンティストなど専門スキルを持つ人材は市場全体で圧倒的な売り手市場となっており、そもそも候補者数自体が限られている状態です。
こうした慢性的な人材不足の中では、大手・中堅企業や他のスタートアップとの人材獲得競争が激化します。
その結果、相対的に条件で劣るベンチャー企業には応募が集まりにくく、せっかく接触できた有望な候補者も他社に奪われてしまうケースが後を絶ちません。
また、昨今は求職者が安定性や働きやすさを重視する傾向も強まっており、リスクを伴うベンチャーへの転職を躊躇する人が増えていることも背景にあります。
要するに、市場環境として人が採りにくい土壌である上に、限られた優秀層を巡る競争で不利な立場に置かれていることが、ベンチャー企業の採用難易度を一層高めているのです。
「ベンチャー」と「中小企業」採用における根本的な違いとは?
同じように大企業ほど知名度や資金力がない組織として、一括りにされがちなベンチャー企業と中小企業。
しかし両者の採用における考え方やアプローチには根本的な違いがあります。
ここでは「ベンチャー」と「中小企業」の採用の違いを4つの観点で整理し、それぞれが求める人材像や採用手法の特徴を明らかにします。
1:企業の成長志向と採用目的の違い
ベンチャー企業と中小企業では、企業が置かれた成長ステージや志向性が異なるため、採用の目的にも差が生じます。
ベンチャー企業は短期間での急成長を目指し、新たなビジネスモデルや市場を開拓することを使命としています。
そのため採用においては、事業拡大を加速させるための戦略的人材獲得が重視されます。
即戦力となる専門性はもちろん、将来的に事業の柱となりうるような高いポテンシャル人材や、組織をスケールさせるリーダー候補を積極的に採用しようとする傾向があります。
大企業ほど毎年大量採用するわけではなく、必要な時に必要な人数を採用するスタイルです。
事業成長よりも現在の業務を着実に回すことを優先するため、「即戦力として現場を任せられる人材」をポイントポイントで採用するケースが多いでしょう。
このように、ベンチャーが攻めの採用(将来への投資)であるのに対し、中小企業は守りの採用(現状維持・補完)に近いという違いがあります。
2:求める人材像やスキルセットの違い
採用の目的が異なれば、理想とする人材像にも違いが現れます。
まずベンチャー企業では、急成長や変化の激しい環境に対応できるオールラウンドな人材が求められる傾向があります。
社員一人ひとりの担当範囲が広く、状況に応じて様々な役割を横断して担う必要があるため、特定のスキルだけでなく幅広いスキルセットと柔軟性を備えた人材が好まれます。
加えて、先行き不透明な挑戦に飛び込むわけですから、リスクを恐れずチャレンジ精神旺盛な人物像がベンチャーにはフィットします。
対して中小企業では、募集ポジションごとに専門性や実務経験がマッチする人材を求める傾向が強いです。
既存事業を支えるため、即戦力となる実務スキルや業界経験がある人が好まれ、「入社後すぐ戦力になるか」が重要な判断基準になります。
特に伝統的な中小企業では分業体制が確立されていることも多く、担当業務の範囲が明確なぶん専門職のスペシャリストを採用するケースが目立ちます。
また、長期勤続して会社に貢献してくれる安定志向の人材を歓迎する風土もあり、ベンチャーのような尖った経歴よりも、誠実で堅実に職務を全うしてきた人物が評価されやすいでしょう。
このように、「何でもこなせる挑戦型」を求めるベンチャーと、「特定業務で即戦力になる堅実型」を求める中小企業という対比が見られます。
3:採用プロセスの進め方・スピード感の違い
ベンチャー企業と中小企業では、採用活動の進め方やスピードにも違いがあります。
ベンチャー企業では、採用プロセスが比較的短期集中型でスピーディーに行われる傾向があります。
現場の裁量で面接日程を柔軟に調整したり、少人数ゆえに応募から数週間で最終決定まで進むことも珍しくありません。
これは、限られた採用機会を逃さず優秀な人材を獲得するために素早い対応が不可欠だからです。
一方で、変則的でケースバイケースな対応も多く、「選考基準が明文化されていない」「その時々で判断が変わる」といった柔軟さゆえのばらつきも見られます。
募集要項の作成から応募受付、面接スケジュール調整まで比較的定型的なフローに則って進行し、意思決定にも時間をかける傾向があります。
特に老舗の中小企業では社長や役員の決裁プロセスが長く、最終面接後に合否連絡まで数週間かかるケースもあります。
また、自社に合う人かどうか見極めるために面接回数を重ねる企業もあり、応募から内定まで大企業並みに長期間要する場合もあります。
このように、ベンチャーはスピード重視でフレキシブル、中小企業は堅実重視でマイペースといった違いが表れています。
4:採用ブランディングと訴求ポイントの違い
人材獲得のためにアピールするポイント、すなわち採用ブランディングの内容にも両者で差があります。
まずベンチャー企業は、自社のビジョンや成長ストーリー、革新的な事業内容といった将来性や挑戦の魅力を前面に押し出す傾向があります。
例えば企業理念や創業者の想い、独自のサービスで業界を変革しようとしているビジョンなどを積極的に発信し、「一緒に会社を育てていける」というロマンややりがいを感じてもらう戦略です。
また、組織風土の魅力としてフラットな社風や若手が裁量を持てる環境など、大企業にはない経験が積める点をアピールすることも多いでしょう。
対照的に中小企業では、安定感や実績、働きやすさなど現実的な魅力を打ち出す傾向があります。
地域密着型の企業であれば地元で腰を据えて働ける点、創業〇年の実績から来る安定性、従業員数が少ないからこそのアットホームな雰囲気など、求職者にとって身近で安心できる要素を強調します。
福利厚生や休日休暇といった条件面でも、大企業ほど充実していなくとも「無理なく働ける環境」であることを示すなど、堅実さを売りにすることが多いです。
つまりベンチャーは将来への期待値を売りにし、中小企業は現在の安心感を売りにする傾向があると言えます。
この違いを理解することで、自社が取るべき採用アプローチのヒントが見えてくるでしょう。
採用難を乗り越える!ベンチャー企業の効果的な採用戦略5ステップ
以上の課題と違いを踏まえ、ここからはベンチャー企業が採用難を乗り越えるための具体的な戦略を5つのステップで解説します。
知名度やリソースのハンデを補い、優秀な人材を獲得するために現場で実践できるポイントを網羅しました。
限られた状況下でも工夫と戦略次第で採用は必ず改善できます。では順を追って見ていきましょう。
ベンチャー企業ならではのアプローチで採用課題を克服しましょう。
- SNSの活用
- 個別最適なアプローチ
- 選考のスピード感
など、大手には真似できない手法で採用CX(候補者体験)を高めることが可能です。
自社の強みを活かした採用戦略で、価値観の合う人材を効率よく獲得していきましょう。
Step1:採用ニーズの明確化と社内体制の整備
最初のステップは、自社の採用ニーズを明確に洗い出し、それに沿った社内体制を整えることです。
具体的には「どの部署・業務で、いつまでに、どんな人材が何名必要か」という採用計画と目標を明文化します。
ベンチャー企業では事業の優先順位が日々変化しがちですが、採用においてブレない軸を持つために、中長期視点で必要な人材像と人数を議論しましょう。
また、この段階で重要なのが経営陣や現場リーダーのコミットメントです。
いくら人事担当者が頑張っても、現場が協力的でなかったりトップが採用に関心を示さなかったりすれば良い人材は採れません。
例えば週次の経営会議で採用進捗を共有したり、役員が直接候補者と面談して口説いたりするなど、会社全体で人材獲得に取り組む土壌を作りましょう。
さらに、自社の現状分析も欠かせません。
現行の採用プロセスでボトルネックになっている部分(応募者対応の遅れや選考基準の不明確さなど)があれば洗い出し、改善に向けて関係者の合意を取ります。
小規模な組織でも、明確な計画と役割分担によって採用活動に一貫性と推進力が生まれます。
Step2:採用ブランディングの強化と魅力の発信
次に取り組むべきは、自社の魅力を求職者に伝える採用ブランディングの強化です。
知名度が低いベンチャーにおいては、「知られていない」こと自体が損失ですので、まずは認知度向上に計画的に取り組みましょう。
具体的には、自社の存在意義やビジョン、事業の社会的価値といった訴求ポイントを整理し、対外的に発信していきます。
昨今では採用専用のSNSアカウントで社内の様子や社員の声を発信したり、noteやブログで創業の想い・今後の展望を綴ったりするベンチャー企業も増えています。
自社HPの採用ページやプレスリリースも活用し、企業の価値を効果的に伝えるコンテンツを充実させましょう。
また、他社との差別化ポイントを明確にすることも重要です。
同じような業界・事業領域の競合スタートアップがいる場合、何が自社のユニークな強みかを求職者目線で言語化します。
差別化ポイントが見つからない場合でも、社員インタビューや導入事例、受賞歴など外部評価をアピール材料にできます。
重要なのは、求職者が入社後の自分をイメージでき、「この会社になら自分の成長を託せそうだ」と思えるだけの魅力的なストーリーづくりです。
企業文化や理念に共感してもらえれば、知名度や待遇のハンデを乗り越えて応募してくれる優秀層も必ずいます。
Step3:多様な採用チャネルの活用とリファラル採用推進
3つ目のステップは、採用チャネル(候補者にリーチする手段)の多様化です。
限られた予算でも工夫次第でアプローチできる母集団を広げ、優秀な人材と出会う機会を最大化しましょう。
具体的には、これまで利用していなかった媒体や手法に積極的にチャレンジすることです。
求人サイト一辺倒だったのであれば、SNSやオウンドメディア、社員の個人ネットワークなど低コストで始められるチャネルに着目します。
たとえばTwitterやLinkedInで業界の有識者に情報発信したり、noteで求職者向けの記事を投稿するのも効果的です。
最近では自社ブログで技術的発信を行いエンジニア母集団を形成するスタートアップも増えており、「採用広報」の延長で広く認知を獲得する動きが一般化しています。
中でも特に注力したいのがリファラル採用(社員紹介採用)です。
現場社員の人脈を通じて候補者を紹介・推薦してもらう手法で、ベンチャー企業において最も効果的かつコスト効率の良い手段の一つです。
自社をよく知る社員経由の候補者はカルチャーフィットしやすく、ミスマッチが少ないというメリットがあります。
まずは全社員に向けて「どんな人材を求めているのか」を具体的に共有し、知人・友人で該当しそうな人がいればぜひ紹介してほしいと呼びかけましょう。
また、紹介が成功した場合のインセンティブ(紹介ボーナス等)制度を設けると社員の協力も得やすくなります。
リファラル以外にも、業界の勉強会やイベントへの登壇・参加を通じたコミュニティリクルーティング、専門職であればGitHubやQiitaなどでのダイレクトリクルーティングも検討に値します。
ベンチャーならではのフットワークを活かし、多方面にアンテナを張って人材にアプローチする戦略が必要です。
なお、外部の人材紹介会社や採用代行(RPO)サービスの活用も選択肢となります。
自社でリソースが足りない部分はプロの力を借りることで、短期間で成果を出すことも可能です。
ただし費用対効果を見極めながら、小規模組織に見合ったチャネルを取捨選択することが大切です。
Step4:選考プロセスの最適化とCX(候補者体験)向上
4つ目のステップは、選考プロセス自体を見直し改善することです。
応募が来てから内定承諾に至るまでの一連の流れを最適化し、候補者にとって魅力的なCX(候補者体験)を提供できるようにします。
まず心がけたいのは、スピード感のある選考対応です。
優秀な人材ほど複数社の選考を並行して進めています。
対応が遅い企業はそれだけで候補者の熱意が冷めたり、他社で先に内定が出て取られてしまうリスクが高まります。
- 書類応募が来たら即日〜数日以内に返答する
- 面接日程も候補者の都合第一で調整する
- 面接後のフィードバックや合否連絡も可能な限り迅速に行う
などといった「待たせない仕組み」を徹底しましょう。
大企業には真似できない迅速な対応で候補者に好印象を与え、「この会社は対応が早くて信頼できる」と思ってもらえれば選考辞退の抑止にもつながります。
次に重視すべきは、選考の各場面で候補者に丁寧で誠実な対応を行うことです。
具体的には
- 応募受付の自動返信メール一つとっても温かみのあるメッセージを添える
- 面接官は応募者の経歴に目を通した上で臨む
- 面接中も双方向の対話を心がけ会社の情報提供もしっかり行う
などといった気遣いです。
また評価基準を統一し、面接官によるばらつきを減らすために面接トレーニングを実施するのも有効です。
小さい会社ほど一人ひとりの対応品質がダイレクトに評価につながります。
まさにCX(Candidate Experience)の向上が、ベンチャー採用成功の隠れた鍵と言えるでしょう。
最後に、選考プロセス改善のためにはデータの活用も欠かせません。
例えば一次面接での辞退率が高いなら日程調整や案内方法に問題がないか振り返る、といった具合にPDCAサイクルで常に体験の質を高めていきましょう。
Step5:入社後のフォローと定着支援、戦略の継続的改善
最後のステップは、採用した人材が入社後に活躍・定着できるようフォローすること、そして採用活動自体も継続的に改善していくことです。
採用は内定承諾をゴールとせず、入社後に真の成果が現れます。
そこで、新入社員に対するオンボーディングを充実させ、早期戦力化と会社へのフィットを手厚くサポートします。
具体的には
- 入社前後でメンターを付けて業務フォロー
- 定期的なキャリア面談を実施する
- 経営層との懇親機会を設けてビジョンの再共有を図る
などといった施策が考えられます。
ベンチャー企業では日々業務が忙しい中でも、新人が孤立しない仕組みを作ることが定着率向上に直結します。
また、採用計画に対する進捗や成果を定期的に振り返り、採用戦略をアップデートしていく姿勢も重要です。
たとえば四半期ごとに採用KPI(応募数、採用数、定着率など)をチェックし、目標未達なら原因を分析して次のアクションに反映させます。
うまくいったチャネルがあればそこに注力し、逆に成果の薄かった施策は大胆に見直す柔軟性も必要です。
社内アンケートで新入社員から採用プロセスの感想をヒアリングし、候補者視点での改善点を洗い出すのも有効でしょう。
こうした継続的改善のサイクルを回すことで、採用チームのノウハウが組織に蓄積され、次回以降の採用活動の精度が上がっていきます。
さらに、入社後に活躍した社員が次の採用の協力者になってくれるという好循環も生まれます。
このように採用→活躍→紹介のポジティブな循環を作り出すことが、ベンチャー企業の採用力を底上げする長期的な戦略となります。
まとめ
ベンチャー企業の採用課題と、その克服に向けた戦略について包括的に見てきました。
知名度の低さやリソース不足など確かにハンデはありますが、視点を変えればベンチャーならではの強みや手法でカバーできる部分も多いことがお分かりいただけたでしょう。
大企業と真っ向から勝負するのではなく、中小企業とは異なるベンチャー流の採用戦略を駆使することで、十分に優秀な人材獲得は可能です。
最後に、本記事で紹介したポイントをおさらいします。
ベンチャー採用が難しい理由としては
- 知名度不足
- 悪いイメージ
- 予算制約
- 採用ノウハウ不足
- 求人の発見されにくさ
- 人材市場の競争激化
などといった要因が複合的に影響しています。それらを一つひとつ認識し、対策を講じることが出発点です。
ベンチャー vs 中小企業の違いは、成長志向や採用目的、求める人物像、採用プロセスのスピード、ブランディングの軸に違いがあります。
【採用戦略5ステップ】
- 採用ニーズの明確化と社内体制整備
- 魅力の発信とブランディング強化
- チャネル多様化とリファラル活用による母集団拡大
- 選考プロセス改善とCX向上
- 入社後フォローと戦略改善の継続
これらを順に実践することで、採用力は飛躍的に向上します。
ベンチャー企業の採用担当者・経営者の皆さんにとって、採用活動は常に試行錯誤の連続だと思います。
しかし、本記事の内容を参考に自社の課題に合った打ち手を講じれば、必ずや道は開けるはずです。
人材は企業の命運を左右する最重要リソースです。
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